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〜医者はどこまで患者と向き合っているか?〜主治医はあなた【随時更新】

現代の医療のあり方に一石を投じ、これからの医療の可能性を模索する。
心身統合医療に力を注ぐ、医師・樋田和彦のメッセージ。

主治医はあなた

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バイ・デジタルOリングテストと
高麗手指鍼こうらいしゅししんを融合した
独自のヒダ式治療法

■「手は全身の縮図」をバイ・デジタルOリングテストによって証明

高麗手指鍼療法と出会った時とほぼ同時期にバイ・デジタルOリングテストを診療に取り入れる機会を頂きました。
1985年3月、東京の野口英世記念館において、「西洋医学と東洋医学の結合による新しい診断法と治療法―Bi Digital O-Ring Testの実習」というセミナーが開催されました。それはニューヨークからバイ・デジタル Oリングテストの創始者である大村恵昭教授を招いて開かれた、日本で初めてのOリングテストのセミナーでした。私はこのセミナーに参加して以来、Oリングテストに深く傾倒し日常診療に与えた影響の大きさは計り得ないほどのものでした。

その中で心臓や胃などの顕微鏡のスライドを使って臓器の代表領域や先に述べた内臓体壁反射をOリングテストで証明される大村式イメージング法などをデモンストレーションされていました。

それを見て私は高麗手指鍼療法の「手は全身の縮図」をOリングテストで証明することができるかもしれないと思い、早速「手」について大村先生のイメージング法を試してみました。

全身と同じように、胃、肝臓、胆嚢、肺臓、大腸、心臓、小腸、膵臓、腎臓、膀胱などの正常な組織標本を使って「手」に共鳴現象を起こす部位をOリングテストによって検索してみたのです。共鳴現象については、非常に専門的な話になるので割愛しますが、柳先生が主張しておられる「手は全身の縮図」ということをOリングテストによって証明することができました。

その体験は、まさに感動的なものでした。このことを1986年10月、ニューヨークで催された第2回国際鍼と電気治療シンポジウムで発表しました。(米国パーガモン・プレス出版のAcupuncture and Electro therapeutics –Research, International Journal誌にも掲載されました。)

韓国ソウルでは、毎年のように「韓日高麗手指鍼学術太会」が催されています。日本からは、故間中喜雄先生、故谷津三男先生(日本大学名誉教授)はじめ多くの方々の研究発表が行われてきました。私も毎回出席させていただき、高麗手指鍼療法とOリングテストを融合させた独自の診療をテーマに講演させて頂いています。高麗手指鍼療法という素晴らしいものに出会ってから、すでに30年以上の歳月が流れていますが、私のなかではもっと広く探求していきたい分野です。

■高麗手指鍼療法の実践

ケーススタディ1

52歳女性

◯症状
24年前にダンサーの仕事で来日し、6年前に日本人と結婚しました。この頃、鬱状態が続き苦しんでいます。心理療法を主に治療を行い改善されつつありますが、新たに左側の胸痛と肩から上腕と背中に突っ張るような痛みを訴えています。

◯治療
まず症状のある部位の痛みを確認します。自覚症状のある部位を少し押してみると一層「痛い、痛い」と顔をしかめます。診察台の上に両手を置いてもらい、先の尖った圧診器(金属)で痛みのある部位を探します。左手薬指が左上腕に相当し、肩は指の手のひらに近いところですから、その部分を圧診器で押していくと過敏な部分があり印をつけます。そのほか痛いところをくまなく印をつけます。
次に、印をつけたところに鍼を丹念に刺していきます。患部である肩や腕に直接刺すのではなく、手に置き換えて鍼を刺しても不思議と患部の痛みは楽になります。この女性の場合、痛みは消え去り「ありがとうございます。楽になりました」と気持ち良さそうに言われました。

ケーススタディ2

68歳女性

◯症状
5年来、口腔に違和感があり難しい病気ではないかと心配して来院されました。
大学病院で口腔苔癬の診断で通院しています。塗り薬やうがい薬を続けていますが、なかなか治りません。

◯治療
手の中指は顔に相応します。第一関節の皺の部分が顎に当たり、皺より少し指の先端に近いところが口に相当します。これらを圧診器で押すと痛みを訴えます。そこに鍼を施すと、口の症状が半分位とれました。

ケーススタディ3

75歳男性

◯症状&治療
この頃、便秘気味です。手の甲側と手のひら側について丹念に過敏点を探したところ、両手とも手の甲側で腰椎の2番3番4番あたりの中央より左側に過敏点を見つけました。また、手のひら側で左下腹部に相当する部位に圧痛点を見つけました。これらの箇所に、鍼と同じ効果をもたらす小さい粒(マグレイン)を貼りつけたところ、翌日には気分もよくなり排便もスムースになりました。

ケーススタディ4

68歳男性

◯症状
数年前から、糖尿病を患い一般的治療を受けています。1週間前から、右目の痛みと充血があり来院されました。身体のコンディションは悪く、右肩・右肋骨下部に違和感があり苦しいと訴えていました。

◯治療
高麗手指鍼療法で体全体を調節し、患部の右目に相当する部位(中指)を調べてみると、かなり過敏になっています。そこにしっかり印をつけ、瀉血療法(※)をしました。急に視野が広がり明るくなったと喜ばれました。

日々の診療を通じて「手が全身の縮図」であることを認識し、つねに生命の神秘性に驚かされています。

※わずかに血液を抜いて体質改善を図る治療法

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